アピール 2026年アカデミー

2026年7月25日
学びあい ことばの世界をひろげる 
漢字の学習を進めよう!

 赤ん坊を見ていると、ときに感動させられることがあります。だれに言われたわけでもなく、ハイハイをし、つかまり立ちをし、やがては歩きだします。何度しりもちをついたり、転んだりしても、挑戦を続けます。なんとたくましいのだろうと、6,70cm程度の身体が見せる学ぶ力に驚かされます。
 それは小学生や中学生でも同じではないでしょうか。子どもは本来、学びたい、成長したい、自分を伸ばしたいと思っています。真に学びに出会っている子どもの顔は輝いています。漢字学習の場でも、子どもたちは輝きます。

 漢字学習は「ことば」の学習です。漢字を通して「ことば」を学ぶのです。「ことば」は人間の思考をつくり、人と人の思考をつなぐ存在です。友達と学び合う中で、漢字を通して学ぶ「ことば」は生きたものとなり、子どもたちの思考を形づくるものとなっていきます。新しい「ことば」や知っているようでよく解っていなかった「ことば」を、実際に使ってみたり、友達の使い方を聞いてみたりする中で、その子にある既存の「ことば」とつながっていきます。友達と学び合うことは漢字学習、「ことば」の学習の醍醐味です。昔、ある子が教えてくれました。「漢字の勉強は、友達のことが知れるから楽しい」と。

 漢字学習は、かなで表される言葉を漢字に変換する力を養うことではありません。これは目的の一部にすぎません。にもかかわらず、それが全てであるかのように、子どもたちはテストに追われ、本来の「ことば」の学習を楽しみ切ることができません。漢字学習に苦しみを覚える子すらいるのが現状です。
 私たち漢字指導法研究会は漢字教育を困難にしている最大の原因は、「教えきれない、学習しきれない漢字数」と「児童・生徒の言語能力の発達段階に見合わない難漢字の提出」にあると考えます。
 
 2017年3月に告示された小学校学習指導要領では、学年別漢字配当表に都道府県名の漢字20字が追加され、小学校での総学習漢字数が1026字になりました。2020年から全面実施されています。このことによって、それまでの1006字でも漢字地獄にあえいでいた子どもたちはさらに追い込まれ、苦しめられています。そして、勉強ぎらい、学校ぎらいになることも心配です。

 私たちは、多すぎる学習漢字を押しつけるのではなく、精選した漢字をしっかり習得させることを提案しています。そのために、「小学校学習漢字精選案」を作成しました。また、漢字の力をつけるとともにことばの力もつける「1セット5過程」の指導法を提案しています。私たちは、子どもたちが学ぶ楽しさを知り、ことばの力を高めていく有効な漢字指導法を研究し、教育現場にひろめていくことにこれからも力をそそぎます。


                   2026年7月25日
             漢字指導法研究会(国字研)

声明・見解  2026年第39回アカデミーの報告